進化1 お母さんヒヤッとする。

実は、母『えっ?ちょっと待ってよ 今計算するからね。』


と言って、『うん?えっ?うんっ?』


『あっ、そうか。絵描いて考えてみよ。』


そして、答えを出すのに、ちょっと焦ってしまった問題です。


恥ずかし・・・


ということで、その問題はコチラ↓


問題

ムゲンドラモンが今までに戦った相手は、ピノッキモンが戦った

相手の11倍です。また、ピノッキモンとムゲンドラモンが

戦った相手の数の差は30匹だそうです。では、ムゲンドラモンは

何匹の相手と戦ったのでしょう。


         正解♪ 33匹




人間の最速の思考というのは視覚イメージ操作なんだなと
改めて痛感しました。

とにかく、

絵で解くという
習慣が板につくまでは、数字や計算式を一切書かないで
オリジナルの絵を描いて、それを操作することで
答えが見えるようにして下さいね。


そうでなければ、考力は育ちませんから・・・。



学力(思考回路)はいつどうやって出来るのか?

糸山先生曰く、

『自分のオリジナルの考えを工夫する時
にしか出来ない。』



また、就学前の一年間はゴールデンエイジとも
言われているのですが、その理由の一つには子供達が
まだ計算や文字(文章)を書くことを教えてもらって
いないため、絵を見て考えるということがスムーズに
入りやすいからなのです。

視考力が身に着いた子供達は
一般的には難しいとされている問題でも
秒殺することが出来ます。

だって、視覚イメージ操作は人間の最速の思考方法
なのですからね。

進化2 オリジナルの方法

問題

カタツムリのマイマイが子供を産むことにしました。今日は頑張って3分ごとに2匹ずつ産みます。午前11時56分から産み始めると、丁度100匹産むには何時何分まで頑張ればよいでしょうか。

これを私が解くとしたら、

100÷2=50

50×3=150


150分は2時間30分なので


11時56分の2時間30分後は、

午後2時26分


となると思います。



では、どんぐり問題3年目の子供はどのように

解くか見て見ましょう。


カタツムリを10匹描きました。

2匹ごとに3分ということで赤い棒を記入しました。


つまり、

10匹産むと、15分かかる

100匹産むと、15分が10回分ということで絵を描きました。


○1個1分、○60個を1時間ということで、

100匹産むのにかかる時間は2時間30分と分かりました。


そこで、11時56分から2時間30分後は、

午後1時86分

86分はおかしいということで、

60分を時間になおして、


2時26分ということになりました。


最初にカタツムリを10匹の固まりで考えるというところに

なるほどねぇ~と思ったわけです。


子供曰く、

「その(お母さんの)解き方より、

こっちの方が分かりやすい。」


とのことでした。


確かに、こっちの方が分かり易いですよね。

目で視えますから。


ちなみに、子供は今学校で二桁の掛け算と割り算を

習っています。



進化3 見当をつける 

2mx57 ダンゴムシのお母さんが、9ユーロで子ダンゴムシ3匹に、同じお菓子を10個ずつ買ってあげようと思っています。お釣りが出ないように買うと、1個いくらのお菓子を買えばいいのでしょう?


という問題をしました。

初めに、9ユーロを背中に乗せたダンゴムシのお母さん、子供三匹を描きました。そして、お菓子を30個描いて・・・。



始め、一つ50セントと見当をつけましたが、どう考えてもそれでは、高額になるとのことで、


 

次に、20セントかな?40セントかな?



何だか30セントくらいかな?で、30セントで確認していったところ、

9ユーロになったので、終了ということでした。




絵で問題を解く習慣が出来ていると、もちろん計算式などは一切使わなくても解けますし(ちなみに問題を解いた本人は足し算と引き算だけ学校で習っています)、このように何となくこんな感じだなというのを、推測できるように

なって来るんですね。



このなんとなくこれっぽいなっと見当をつけれる感覚は、実力なんですね。



ですから、4年生になるまでは計算式を書かずに、絵だけで考える癖をつけて下さい。ちょっと油断すると計算式で考えてしまいますので、注意が必要です。考える力をつけるというのは、それぐらい繊細なことなんですね。

 

 

とにかく、絵だけで考える。絵を描いて考える。

 

 

これが、視(思)考力をつける秘訣です。


進化4 正解だけどちょっと惜しいと感じた作品

2mx28 今日はヒカルぴょんの誕生日です。カラスさんからは高級クモを

5匹、モグラさんからはやわらかミミズを8匹貰いました。クモはミミズの4倍の値段がします。クモ1匹の値段が80セントなら、皆で何ユーロ分のプレゼントをもらったことになりますか。



クモはミミズの4倍なので

クモ一匹の枠の中にミミズ(点々)を4つ描きました。

クモは5匹なので、それを4こ追加。


クモは80セントなので、

80が5匹分。


ミミズ1匹が20セントということで

20を8個描きました。


それを全部足して

5ユーロ60セント。



これでももちろんいいのですが・・・

やはり掛け算をすでに習っていることもあり


途中から視考力というよりも

計算になっております。




きっともっと最速で

計算が簡単な方法は・・・



ミミズ8匹を4匹ずつ2グループに分けて


つまり

クモと併せて

80セントの固まりを7つ絵に描き



さらに、

80セントの固まり5個で100が4個出来る 400セント=4ユーロ

(つまり一つの固まりをばらけて100セントを4つ作る)


あと2つ固まりが残っているから160セント=1ユーロ60セント


4ユーロと1ユーロ60セントを足して


5ユーロ60セント



かな?と思いますが、皆さんどうでしょう?



視考力って・・・


文字通り イメージで考えるということなんです、


その辺りよーく理解しておかないと、


何となく絵を描いてるからいいやって思っていると


絵で解いているのではなくて

実際は計算してた・・・


ってことが多々ありますので、

よく気を付けてみてあげて下さいね。



絵を参考にする程度では効果がありません。



子供達はだんだん


抽象思考が出来るようになってきますが、


そこをいかに踏ん張って


具象思考や具象操作を12歳まで

引き続き行っていくか


そこが


中学生以降の学力の伸びしろとなって来ます。









進化5 トリッキーな問題も秒殺なわけ

2mx59 センコウ君とデンコウ君が火花飛ばし競争を2回しました。1回目はセンコウ君の後に、デンコウ君がセンコウ君の8倍の火花を飛ばし2回目はセンコウ君が1回目のデンコウ君の2倍の火花を飛ばしました。次で、デンコウ君がセンコウ君と同点になるためには、1回目にセンコウ君が出した得点の何倍を得点すればいいでしょう。

大人でも一回読んだだけでは

意味分かりません。


子供なら尚更だと思いますが・・・。



丁寧に言葉をイメージ化する習慣がなかったり(=読解力の欠如)

思考の忍耐力がみについてない場合は(=高速計算、繰り返し学習の弊害)



問題を読むなり、


「意味が分かりません。」


と言って、思考停止してしまうだろう問題です。



しかしながら、


この問題は


ちゃんと丁寧に絵図化さえ出来れば


そして、最後に


8と1を合わせたら9ということさえ

分かればとてつもなく簡単な問題だと

言えます。



イメージ力

忍耐力

ひとつずつ丁寧に解決していくこと


を習慣化し、それを楽しむことが出来るようにする。



その様な日常の積み重ねが、


自分で解決できるという本物の自信をつけ

挑戦する勇気を養い

簡単には諦めない強さと

失敗も笑って自分の糧にできる


ことを培っていくのだと思います。






進化6 計算よりも考える練習を

2MX82

ム―リー君はピクニックに行く途中、家から北へ向かって9km850m

歩いたところで忘れ物を取りに家に戻りました。まず、ム―リー君

は、南へ5050m戻って、次に西へ350m進み、また、南へ4800m進んで

東へ830m進みました。さて、これから最短距離で家に帰るには

どの方向に何m進めばいいでしょう。


答え 西へ480m 正解!

どんぐり問題は確かに複雑だし、面倒だし、簡単には答えが出ません。


普通に学校に行って、

授業を聞いて、

宿題を真面目にしていても


在籍学年のどんぐり問題を所見で

アドバイスもヒントもなしで

解ける子供は

かなり稀です。


それは何故かというと


考える練習をしていないからです。



たまに、

こんなに難しい応用問題は、もっとちゃんと

基本をやってから行うべきではないでしょうか?


と思われる方がいらっしゃいます。


そして、計算問題や音読をひたすら行うという

勘違いをしてしまいがちなのです



が・・・・


違います。


いくら基礎基本といって計算問題をたくさん解いても・・・

文章問題ですよといって、

計算をただ文章にしただけの問題や・・・

初めから参考にする絵が描いてある問題を

解いていたのでは・・・

また、親が解法を説明して教えてあげていて

分かったような気になっていても

テストで高得点を取れても


いつまでたっても


理解もできないし、

自分で考えるという力も身に付きません。


なぜなら、考える練習をしていないからです。

考えるための忍耐力を養っていないからです。


また、計算練習をしないと不安に思われるかたも

いらっしゃると思いますが、


この問題の中にどれだけ計算が出て来るか

見て下さい。単位変換もしなければいけませんよ。


9850-5050-4800=0

830-350=480


繰り下がりのある計算も入っていますし、

数も大きいです。


これだけの計算が出来るならば、簡単な計算問題を

数多く解くのは時間の無駄とうことです。

手も痛くなりますしね。


2年生問題でも60億とか出てきますしね。


そしてオマケに読解力を伸ばすことも出来ます。

 

進化7 具象思考を続ける事が大事

今日は全校CD飛ばし大会の日です。50人が一緒に飛ばします。

上位3人の記録を合わせると、下位2人の合計の丁度3倍でした。

5人の記録を合わせると640mになりました。

下位2人の差を20mとすると最下位は何mになりますか。

 

答え 70m  正解!


2年生問題にもなると、なかなか手ごたえのある問題になってきますね。

上位、下位、記録、差、最下位の語句の意味は説明しました。


難しい問題ですが、問題の通りにに絵を丁寧に描いて、よーく見ると

答えが見えてきます。

夏休みは進化の季節です。


分からん帳に入っている問題を解きましょう。



どんぐり問題を自力ノーヒントで300問くらい解けたら


視考力が板についてきますので、それまで


地道に続けていきましょう。



抽象思考が出来ても、12歳までにいかに具象思考を


続けていけるか、それがその後の学力の伸びしろに


なります。



思(視)考力を養うことは、思った以上に


センシティブです。



スピードを求めたり、知識を詰め込んだり、繰り返し学習を


続けると、途端に考えることが難しくなります。どんぐり問題を


しているとその状態が一発で分かります。


(体験済み)


家庭でのゆっくり、じっくり、丁寧な環境設定と外遊びを


お忘れなく!


進化8 自分で試行錯誤する

算数の問題は、大方

連比と倍数の概念で成り立っているそうです。


もちろん他にも、単位とか

あることはありますが・・・


前回のアザラシの姿煮の問題もそうでしたが、

今回も倍数問題を紹介します。


自分で0からオリジナルの絵を描いて考えたときに

初めて本当に理解でき、また応用する力が付きます。


抽象思考が出来るようになっても、12歳までは

具象操作(絵を描いて考える)を続けていくことが

より高度な思考力(視考力)を育てる方法に

なりますので、細く長く続けていきましょう。



【問題】

今日は満開の桜の下でお花見です。ご馳走は超長うまか棒と

超長まずか棒の柔らかにです。超長うまか棒は超長まずか棒の

3倍の長さがあります。みんなで午前中にうまか棒と

まずか棒をちょうど半分ずつ食べたところ、残りの長さを

合わせると200cmでした。

では、超長うまか棒はもともと何cmだったでしょうか?

ミスエデュケーションという本の中には、

 

学童期に入っても、自分なりの方法で探究したり、研究したり

する機会を与え続けることが大切。

本質的には、幼児のときの指導と同じことを高いレベルで

行っていくことが重要。

知的な才能であれ創造的な才能であれ、自分の興味や自信や探究心の

強い子供達は、自分の才能を発揮するための糧を

自分で見つけることが出来ますが、平均的な子供達は

そうはいきません。無力感よりも有能感が強くなるように

育てましょう。


ということが書かれています。



つまり、周りがあれこれさせて出来るようにするのではなく、

子供達が自分で考え、自分で試行錯誤できる

環境を与えてあげて、その中で子供達が自分の手で、少しずつ

自分に自信をつけていく、自分を好きになっていく

そういうプロセスをたどれるように援助していきましょう


ということですね。


進化9 アドバイスするなんてもったいない

どんぐり問題では、

 

子供達に解き方を教えるなんて

もったいなくて絶対行いません。


放っておくと、自分で解き方を工夫しますので、

人それぞれ解き方もユニークで面白いのです。


【問題】

今日は満開の桜の下で、お花見です。ご馳走はクジラの

活き造りとアザラシの姿煮です。クジラの活き造りは

アザラシの姿煮の3倍の重さがあります。午前中に半分の

クジラとアザラシを食べたところ、残りの重さは併せて

120kgでした。では、クジラの活き造りはもともと

何kgだったのでしょうか。

まず、アザラシとクジラを半分食べた絵を


描きました。



そして、


何だか少し考えた後に、


●を12個書きました。



それを4つに区切りました。



一つの部分が(●3個分)がアザラシの姿煮の半分


残りが(●9個分)がクジラの活き造りの半分



ということになりました。



結果、クジラの活き造りはもともと180kgあったという


答えになりました。 正解!




そこで、何で●12個描いたの?と聞くと、


「だって、3倍でしょ。」


「3と6と12って、なんか似てるでしょ。」



というコメントでした。



「ふ~ん。そうなんだ。」



こどもの頭って柔軟だなと


つくづく感じます。



言語に関わらず読解力もつきますし、


日本語教育にもばっちりです。